真夏のピークが去ったと思っていたらいきなり冬が来そうな予感がしています。
体調を崩さないように気を付けなければいけない季節です。
さて、今回の技術ブログは昭和17年に建てられた木造建築の耐震補強に関してです。
現在、門田建設では尼崎市にある木造建築の耐震補強に取り掛かっています。
今回の現場では弊社は施工のみを請け負っており、調査設計は別の会社となっています。
耐震補強の施工にあたって躯体の事前調査を行いました。
調査を行ったところ、1F、2Fともに梁、柱、土台に蟻害と腐朽が今回施工範囲で確認されました。

①柱、梁蟻害
②土台、柱蟻害

③屋根現況
上記の写真①②の蟻害と腐朽は雨漏りによるものだと考えられます。
当該現場は郵便局として使用されており、写真③のように屋根部分にパラペットが設置されているため、屋根とパラペットの間に雨水が集中しやすい状況になっています。
谷樋を設置することでここに集まる雨水を排水するのですが、ここから屋根や谷樋の経年劣化により雨漏りしていたと考えられます。
雨漏りは現在はしていないと考えられますが、過去の雨漏りにより2Fの梁まで蟻害が及んでいます。

④土台蟻害腐朽
また写真④でも土台に蟻害や腐朽が見られます。
これは写真からでもわかる通り、土台が設置されている高さと外部の土間の高さが同じ、もしくは土台の方が低い位置にあります。
またこちらの土間には排水設備が特に無く、自然排水となっています。
そのため、雨水が土間と建物の間に入りむことで蟻害、腐朽の原因になった考えられます。
こちらの建物は阪神大震災後に屋根工事と外部のサイディング工事をしているため、外観調査では劣化部分が分かりにくいこと、
建物が古く、修繕履歴も残っていなかったため、設計における調査では劣化箇所がわかりにくかった可能性が挙げられます。
建物があまりにも古いためもう少し丁寧な調査をして欲しかったと設計側にお願いをしておきました。
このように耐震補強工事では施工中に想定外の劣化が見つかる可能性が多くあります。
劣化が見つかればそれ相応の修繕や補強を行います。
門田建設ではこのように豊富な耐震診断・設計・補強事例があります。
ご興味がある方は下記URLからお問い合わせください。
記:専務
