今年はエルニーニョ現象の影響で6月が涼しく体力的には楽な一方、
頻発する台風や雨の影響で工程が進まず、やきもきする事も多いです。
今回の記事は「スケルトンリフォームはなぜ耐震補強と相性がいいのか?」についてです。
「中古住宅を購入して、自分たちらしい住まいにしたい。」 、「親や祖父母から引き継いだ家を自分たちらしい住まいにしたい。」
そんな方におススメなのがスケルトンリフォームです。
以前のブログでもご紹介しましたが、スケルトンリフォームとは、建物を柱や梁などの骨組み(スケルトン)の状態まで解体し、間取りや設備を一新するリフォーム方法です。新築より費用を抑えながら、自分たちの暮らしに合わせた住まいを実現できるため、多くの方に選ばれています。
▼まだお読みでない方は、まずこちらの記事をご覧ください。
「新築が高い今こそ考えたい『中古住宅×リフォーム』という住まいづくり」
この記事では、中古住宅の購入とスケルトンリフォームという選択をご紹介しています。
今回はその続編として、「なぜスケルトンリフォームは耐震補強と非常に相性が良いのか」について、建築士の視点から以下の6つのトピックスに分けてお話ししたいと思います。
① 建物の本当の状態を見ることができる
私たちは耐震診断を数多く行っていますが、耐震診断は主に非破壊の一般診断法で行われており、実は建物には壁を剥がさないと分からない部分がたくさんあります。
例えば、
- 柱や土台の腐朽
- シロアリ被害
- 雨漏りによる劣化
- 金物の不足
- 筋交いの施工状況
- 過去の増改築の跡
これらは非破壊では確認できないケースもあります。
しかし、スケルトンリフォームでは壁や天井、床を撤去するため、工事と破壊検査を同時に行う事で建物の健康状態を隅々まで確認できます。
だからこそ、必要な補修を適切に判断できるのです。

② 耐震補強が最も施工しやすいタイミング
耐震補強というと、「壁を増やすだけ」というイメージを持たれる方も少なくありません。
実際には、
- 耐力壁の追加
- 柱頭・柱脚金物の設置
- 筋交いの補強
- 接合部の補強
- 屋根の軽量化
など、構造そのものに手を加える工事が中心になります。
また、築年数の古い住宅では、シロアリ被害や雨漏りなどによる経年劣化が見つかることも少なくありません。こうした劣化部分を補修したうえで耐震補強を行うことで、本来の性能をしっかりと発揮できる住まいへと生まれ変わります。
つまり、壁が仕上がった後では施工しにくい工事ばかりです。
スケルトンリフォームなら最初から壁が開いているため、効率よく、確実に補強工事を行うことができます。
③ 耐震と同時に制震も
近年は耐震補強に加えて、制震ダンパーを採用する住宅も増えています。
制震ダンパーは、地震の揺れによるエネルギーを吸収し、建物の変形や損傷を抑える装置です。
耐震補強が建物を強くする技術だとすれば、制震は揺れを受け流す技術と言えます。
ただし、制震ダンパーも柱や梁などの構造体へ取り付けるため、内装が完成した状態では施工しづらい場合があります。
一方、スケルトンリフォームでは構造体が現れているため、耐震補強と同時に制震ダンパーを設置することも可能です。
建物の状態や間取りによっては、耐震補強だけでなく制震技術を組み合わせることで、さらに安心感のある住まいをご提案できる場合があります。

④ 同じ壁を二度壊さなくて済む
例えば、先にリフォームだけ行い、数年後に耐震補強をすると、新しく貼った
- クロス
- 石膏ボード
- 内装材
を再び撤去することになります。
つまり、同じ場所を二度工事することになります。
これは費用だけでなく、工期も延び、生活への負担も大きくなります。
そのため、全面リフォームを行うのであれば、耐震補強や制震ダンパーの設置も一緒に検討した方が、結果的に合理的なケースが多いのです。
⑤ 断熱性能・省エネ性能の向上
壁や床、天井を解体するタイミングだからこそ、
断熱材の入れ替えや窓の性能向上も行いやすくなります。
耐震性能だけでなく、冬暖かく、夏涼しい住まいへと性能を高めることができます。
⑥「新築にする」ではなく、「今ある家の価値を高める」という選択がとれる
スケルトンリフォームは、古い住宅をきれいにする工事ではありません。
構造体だけを残し、
- 耐震性能
- 制震性能
- 劣化対策
- 断熱性能
- 省エネ性能
といった住宅性能を総合的に見直すことで、新築同等の性能を目指すことができるリフォームです。門田建設でも、耐震や省エネを組み合わせて住宅の価値を高めるスケルトンリフォームをご提案しています。
そして、性能向上を行うための最初の一歩は、「建物の状態を正しく知ること」です。
中古住宅をご購入される方も、今お住まいのご自宅をリフォームされる方も、まずは建物の状態を確認し、その家に本当に必要な工事を一緒に考えてみませんか。
門田建設ではインスペクションや耐震診断を行う事を推奨しています。
建物を調査した結果、耐震性に問題がなければ、無理に補強工事をおすすめすることはありません。
逆に、必要な補強がある場合には、その理由をきちんとご説明した上で、建物ごとに最適な方法をご提案しています。
家には一棟として同じものはありません。
だからこそ、「この家には何が必要なのか」を考えることが、私たち建築士の役割だと考えています。
スケルトンリフォームの魅力は、間取りを自由に変えられることだけではありません。
壁を開くこの機会だからこそ、
- 耐震補強
- 制震ダンパーの設置
- 屋根の軽量化
- 経年劣化への対策
- 断熱性能の向上
- 配管・配線の更新
など、住まいの性能そのものを大きく向上させることができます。
これらを計画的に行うことで、新築同等の性能を目指すことも十分可能です。
中古住宅を購入される方も、今住んでいるご自宅をリフォームされる方も、「見た目をきれいにする」だけではなく、これから30年、40年安心して暮らせる住まいづくりを考えてみてはいかがでしょうか。
記:専務取締役(一級建築士)
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